歪つ〜バンコクでもの想う〜


バンコクはとても都会です。

そりゃそうだ。タイ王国の首都で、面積は1568.737キロ平方メートルに対し、
人口は8,249,117人。東南アジア屈指の世界都市なんだもの。

至る所に高層ビルが立ち並び、安い安いとは言われながらも、
物価だってかなりのペースで上がってきてる。
つまり、好景気だ。

子供たちは予備校に通い、街の真ん中で最低100バーツはする
スタバのコーヒーを飲みながら勉強してる。
(感覚的に、タイ人の1000バーツは日本人の一万円くらいの価値があります)

夜になると賑やかに屋台が立ち並び、二束三文の偽物とか、
明らかに違法なコピー商品を売っている。

有名な歓楽街には、露出度の高い女性が裕福な外国人の
財布を狙って、流し目をする。

その傍らで。

交差点の信号待ちの大人たちを狙って、
貧しい身なりの子供たちが花を売ってる。

拝む格好で。上目遣いで。
路上に敷いたダンボールの上で眠り、
目が覚めると、ただお願いする。
見知らぬ人の慈悲にすがる。

彼らは何もしない。
勉強も、労働も、考える事も。
ただ、慈悲を待つだけ。

ただのタカリだ。

好景気に沸いて、けれど、全員に行き渡ってなくて。
僕にはそれが、とても歪つなものに見えました。

だけど、きっと、この世界では珍しくもない。
それでも、日本では見る事のない光景。

となると、ここで一つ新たな疑問が沸き起こります。

『日本には、本当にそのような子供は居ないのか』

いいえ、きっと居るはずです。
しかし、見る事はない。

『どっちが健全なんでしょうね?』

昨日会った青年が言いました。
日本人で、イギリスに留学していて、タイを旅行していた青年です。

『歪な社会構造を露わにする社会が健全なのか、
それとも、隠す社会が健全なのか』

わかりません。
ただ、その病的な不平等を、なんとか、少しでも解消できる手段はないのか。
それを考えながら、旅を続けたいと思います。


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